ダンスが揃っているということ
私はジャニーズグループにおいては「ダンスが揃っていること」ももちろん大事だけれど、「情熱が揃っていること」もとても大事ではないかと思っている。
〜〜そうです精神論です〜〜〜
もちろんその曲の魅力を伝える上で、「ダンスが揃っていること」は、とても重要な要素であるとは感じる。でも、それは私にとっては「グループのまとまりを感じることができるから」という意味の方が大きい。
•例えば嵐の場合
昔、嵐にしやがれでニノが「ダンスの振り付けが終わった後に、もう深夜なのに、J(松潤)が細かいダンスの動きの統一を始めるのが大変だ」…というようなことを言っていたのを覚えている。
そ の例としてあげていた動きが手の甲をそらすかそらさないかみたいな本当に微妙な動きで、「こんなに細かくそろえているのか、忙しいのにえらいなぁ」と思い、その後嵐のダンスを見る目が変わった。それ以来嵐が歌番組にでるときは、ついついダンスを見てしまう。もう骨身にしみ込んでいる部分もあるだろうけれ ど、現在に至るまで彼らの振りはきっちりと揃っている。
•V6の場合
V6のダンスにかける情熱は高い。むしろ「ダンスにかける情熱」だけが年齢も趣味も思考も違う6人のメンバーの唯一の共通点であり、彼らはダンスを触媒にコミュニケーションをとっているようにも見える。
V6 ファンの中ではよく知られているが、V6の踊りの一瞬を切り取ると、必ず全員の頭の高さが揃っているのだ。一番背の高い坂本君と、背の低い剛君では身長差 がかなりある(15cmくらい…?)ので、坂本君は足を開き、剛君は体を沈めなすぎないようにするなどして調整しているのが分かる。
メンバーも踊りに対する意識が高く、振り付け師の方を自らスカウトしてきたり、20周年を代表する「Wait for you」の振り付けは、一度決まった振り付けを、より難しいものに変更したというエピソードもある。V6の美しいダンスは、よりよい形で楽曲を表現するために精査されているて、それをみると、その美しさはもちろんだけど、そのダンスを作り上げるまでの過程に思いをはせてしまう。
でも、元々SMAP、Kinkiファンの私にとって「ダンスが揃っていること」は最重要事項ではない。彼らは正直全くダンスは揃っていないし、近年は過去の曲もダンス無しで披露する事も多い。
でも、特にそれに対し不満を感じることは少なかった。Kinkiは歌唱力、SMAPは表現力で、それぞれ楽曲の魅力を存分に表現できていると感じているからだ。
•SMAPの場合
「センターに立ったときのセンターとしての振る舞いと、他の4人のオーラを消す能力」
「その曲における押しメン(=主役)の目立たせ方」
そして、「楽曲のメッセージの伝えかた」は本当に素晴らしいと思う。「夜空のムコウ」や「世界に1つだけの花」をカラオケや合唱で歌った人は分かると思うが、全然かっこよく歌えないのだ。歌唱力やダンス(は、もちろんとてつもなく上手だと思っていますよ!)の問題ではなく、「伝える力」は段違いだと思うのだ。そして、絶対に話し合いをしていないだろうから、それを全て本番中の阿吽の呼吸でこなしていると思うと、ときめく。
そんなわけで、私は「全員のダンスが揃っていたり、上手である事」ももちろん大事だけれど、「情熱が揃っていること」もとても重要なのではないかと感じている。
先日も書いたが、私はジャニーズグループのパフォーマンスの魅力は
「1つの曲のパフォーマンスをみたら、まるで素晴らしい舞台やミュージカルを見たような気持ちになれるところ」
「パフォーマンスによって、楽曲の持つ嘘みたいなメッセージに説得力を持たせる」
…だと思っている。
なので、
その曲によってどのような「舞台」を作り上げようとしているのか
伝えたいメッセージはなんなのか
更にはこの曲でどういったグループの魅力を伝えて行きたいのか
というイメージが、全てのメンバーで共有され、表現されていることがとても重要だと感じる。
メッ セージ性が共有されていなかったり、その曲にかける情熱の熱量が違うと、見ている方には必ず伝わるし、どんなに個々のダンスが上手でもどこかチグハグな印象になってしまうのではないだろうか。別に各々のダンスが揃っていなくてもいい。その「情熱」や「曲に対する理解」が揃っていればいい。
そんなわけで、どこか「ちぐはぐ」な印象を受ける場合には、やはりどうにかしたほうがいいんじゃないかなーと思う。「話し合い」で解決する部分もあると思うので。
「個人の個性」も、それはもちろん大事だけど、それならソロで披露すればいい。
「グループ」で披露しているのだから、そのグループでしか表現できない世界を魅せてほしいのだ。