かくれぬらり

2.5次元の妄想。情報やレポはありません。感想と散文です。

SMAPという物語

虚構はいつだって私を救ってくれる

 

 

1週間経ったら何か書こうと思っていた。

あんまりな出来事が過ぎてからの1週間、私はひたすら現実逃避していた。

現実逃避先は「THE LOAD OF THE RINGS」だ。

この映画が好きで、スペシャルエクステンディッドエディションという特別版のDVDまで持っている。

夜な夜な本編を見て、オーディオコメンタリーを見て、特別ディスクを見ていた。

 

「フィクション」はいつでも私を救ってくれる。

 

 

 

SMAPはいつでもフィクションの対象だった。

今回も、ヤ◯ーニュースでは恐ろしいほど記者による2次創作(ねつ造)が繰り広げられていた。古くからSMAPは女性関係、メンバーの関係性、グループの存続、(果ては宗教関係)において、世間の2次創作の対象になってきた。

思うのだけど、SMAPってもうすでにそのような対象だと思うのだ。

現実に生きて、悩んで、苦しんでいる人間だけど、

「神話」や「物語」の登場人物のように、人々から考察され、ねつ造され、2次創作される存在。

 

 

とはいえ今回はあまりにもひどかった。

映像を見たときは、もう無理だと思った。

どうしても受け入れられなかった。

 

実のところ社会人としてはよく見る光景だ。

尊敬する大好きな上司が、理不尽な会社の要求に対して頭を下げる。

そのときの諦めたような、「無」の顔。

本当によく見る光景だ。

 

でも、彼らはアイドルなのだ。私を何度も幸せにしてくれるヒーローなのだ。

彼らが傷つけられるなんて、私は絶対に受け入れられない。

 

そして、今回彼らを追い込んだのは、もしかしてファンだったのかもしれないという可能性も恐ろしかった。存続を望むファンの声により、彼らがあの場で、あんな表情をして立たざるを得なかったのだとしたら、どうしても私は耐えられない。

 

事務所を嫌悪するあまり、私は「アンチジャニーズに」なろうと思った。

このブログもtwitterもやめて、今後一切ジャニーズ事務所に関するものにお金を支払わないようにしようと思った。

 

そして、安らぎを求めて「THE ROAD OF THE RINGS」のフィクションの世界へと旅立った。

 

 

 

そんな気持ちをやんわりと変えてくれたのが、ネットで溢れた

木村拓哉タイムリープ説」だった。

 

説明しよう

 

 

これは、SMAPの解散を回避するため木村拓哉さんがタイムリープを繰り返している説だ。

今回の分岐点は2016年1月18日、解散を回避するため木村君は何度もタイムリープを繰り返し、現在はn回目のSMAP

 

何回もタイムリープしているから、木村君は歌も演技もうまいとか、森君の脱退はどうしても防げなかったとか、木村君がタイムリープする代償で中居君の歌唱力が失われているとか、様々な考察がネットには溢れ返った。

検索すればまとめが出てくるので、興味がある方はぜひ検索してみてほしい。

今なら素敵な映像も見れる。

一時グーグル検索に置いて「キムタク」の次の予測変換は「タイムリープ」になった。

 

 

 

私はこの説に飛びついた。

そして、読んで、笑っているうちに、徐々に今回の出来事が受け入れられてきたのだ。

 

どうしてこんなくだらない説で?

と思われる方もいるかもしれない。

 

 

 

まず、虚構はいつでも私を救ってくれる。

 

 

そして、この説はSMAPファンではない人達からでたものだ。

でも、決してSMAPを侮辱するようなものではない。

むしろSMAP愛に溢れている。

何十万ものユーザーがリツイートしている。それがなぜか救いになった。

 

 

そして、思うのだ。

この説が受け入れられている理由。

 

木村君は何度も何度もタイムリープをしてSMAPの解散を回避しようとした。それがあの会見につながっているこの説。

 

 

もちろん木村君はタイムリープなんてしていない。

でも、なぜか圧倒的にリアリティがあるのは、本当にそれくらいのドラマがあったからだと思うのだ。

 

木村君だけじゃない、メンバー全員が「タイムリープ」をするくらいの、葛藤と、選択と、交渉を余儀なくされ、何度も思い出を振り返り、そしてかけずり回って、あの場に立っていたと思うのだ。そしてSMAPを存続させることを選んでくれたのだ。

 

 

 

 

期せずして、私が見ていた「THE LOAD OF THE RINGS」の中盤、ボロボロになり、絶望的な状況で登場人物がこのような台詞を言う。

 

”Folk in those stories had lots of chances of turning back--only they didn't.  They kept on going because they were holding on to something

 

 

”there is a goodness in the world and its worth fighting for.”

 

 

英語も日本語も適当で申し訳ないが、だいたいこのような意味である。

 

“(偉大なる)物語の主人公達は何度も道を引き返すチャンスがあった、でも、彼らはそれをしなかった。彼らは進み続けた、なぜなら彼らには信じるものがあったからだ。”

“この世には尊いものがある。戦うに値するものが”

 

 

 

 SMAPという物語の主人公達は、道を引き返すチャンスがこれまでも何度もあった。

 

でも彼らは決して引き返さなかった。

 

 

 

そして今回も何か「戦うに値する尊いもの」のために戦って、もしかしたら今回は負けてしまったのかもしれない。でも、これからも進む事を選んでくれた。

それなら、私もずっと、彼らの偉大な物語を応援し続けたい。

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに前述の台詞に置ける「goodness(尊いもの)」が具体的になんなのか、映画では名言はされていない。ただ劇中で彼らが戦うのは「freedom(自由)」と「friends(仲間)」のためだ。

 

 

 

 

いつかSMAPの5人が自由になる日を願って。